御注意:このマニュアルはHTML化したことにより、元のものとは表示内容、レイアウトが一部異なる箇所があります。
高精度標準電波同期式ウォッチテスタ
WT−2000
取扱説明書
製造元・発売元 (有)トゥロッシュ
もくじ
1、もくじ
2、保証規定、バージョンアップ規定
3、特長
4、各部の説明
5,設置
6、液晶画面の構成とボタンの基本操作
7、測定
−1 歩度
−2 電池電圧
−3 始動開始電圧
−4 消費電流
−5 帯磁量
−6 コイル抵抗
−7 振り角
−8 片振り角
−9 タイムグラフ
−10 電波時計
−11 その他、温度、JJY電波強度
8、トラブルシュート
9、メンテナンス
10、スペック表、付属品
1
絵表示について
危険 この表示を無視して誤った取扱をすると、人が死亡または重傷を負 う危険が差し迫って生じることが想定される内容を示しています。
警告 この表示を無視して誤った取扱をすると、人が死亡または重傷を 負う可能性が想定される内容を示しています。
この記号は注意を促す内容があることを告げるものです。
この記号は禁止の行為であることを告げるものです。
|
安全上のご注意
危険 ソフト交換、ヒューズ交換、または製造元の直接の指示があった場
合で、本体内部を開けるときは必ず電源プラグをコンセントから引
き抜いて下さい。
警告 ソフト交換、ヒューズ交換、または製造元の直接の指示があった場
合以外は、決して本体内部を開けないで下さい。
警告 製造元の直接の指示があった場合以外は、決して分解、改造をしな
いで下さい。火災、けが、事故または故障の原因となります。
2、保証規定、バージョンアップ規定
本機は正常な使用状態で発生する故障について、お買上の月または発売元発送月の
翌月1日から2カ年間無償修理を致します。
保証期間内でも次の場合は有償修理になります。
・火災、天災、異常電圧等による故障
・不当な修理、調整、改造をされた場合
・取り扱いが不適当のために生じる故障
・故障が本製品以外の原因による場合
本保証は日本国内で使用される場合にだけ有効です。
ソフトウェアのバージョンアップ
・本機は、制御ソフトウェアのバージョンアップをする事があります。
基本的に
有償:新機能の追加、操作性の向上
無償:販売時にバージョンアップを約束した場合、不具合対策
・バージョンアップの際には登録ユーザーの方にご連絡をいたします。
・バージョンアップは、装置内部のCPUボードの交換により行います。
弊社から新CPUボードを郵送し、お客様に交換していただきます。
・旧CPUボードは必ずご返送下さい。ご返送いただけないとアフターサービスが
継続出来なくなります。
・CPUボードの交換を弊社に依頼される場合は、往復の送料と三千円をご負担い
ただきます。
2
3、特長
歩度測定関連
・長波の標準電波JJYの高い周波数精度の信号に装置内部の信号源の周波数を
同期させます。電波時計はJJYの標準電波に変調をした時刻信号を復調して
一定時間毎に校正するのにのに対し、本テスタは標準電波そのものである
40kHzの搬送波の周波数を基準として常時校正しています。
このようにして、実用上誤差のない歩度の測定を可能にしています。
・装置内部の信号源周波数を同期させるのに必要なJJYの信号の強度は市販の電波
時計の10分の1以下で、市販の電波時計では使えない弱電界地域でも精度を維持
した歩度測定が可能です。
外部アンテナを接続すれば、日本中どこでも使用可能です。
標準電波が受信できない状態では、歩度の保証精度は3ppm(日差0.26秒)です。
電波時計としての受信感度は市販品と同等です。
測定項目
一台で腕時計の調整に必要なほとんどの測定機能を有しています。
特に、従来は組み込まれることの無かった帯磁量を測定するガウスメータが内蔵さ
れています。
○メカ、クォーツ共通項目
・歩度 ・帯磁量 ・温度 ・標準時刻表示(電波時計)
○メカ時計関連
・振り角 ・片振り角 ・タイムグラフ(要プリンタ)
○クォーツ時計関連
・消費電流 ・始動開始電圧 ・コイル抵抗(簡易測定)
・外部出力
○音声出力
○プリンタ(オプション)が接続可能。
3
4、各部の説明
本体正面パネル
@ 電源スイッチ
A 音量調整つまみ
スピーカからの音量を調整します。
B 感度、電圧調整つまみ
歩度、振り角、片振り測定時の感度調整と、
始動開始電圧、消費電流測定時に時計に加える電圧の調整をします。
C LED表示部
測定値を表示します。
D 液晶表示部(機能表示)
測定項目と設定した条件、時刻、気温、電波受信状況等を表示します。
E 赤ランプ(JJY同期エラーランプ: SYNC ERR)
JJY信号の受信が適切でないときに点灯します。
電源をONして、1分以内に消灯するのが正常です。
電磁気的なノイズが入ると点灯しますが点灯の比率が30%以下であれば
測定精度が問題になることはありません。
F 青ランプ(信号入力ランプ: SIGNAL IN)
アナログクォーツの磁界、デジタルクォーツの電界、メカ時計の刻音、
供給電流のパルスが入ると点灯します。
4−1
本体背面パネル
G 外部アンテナ端子: 付属の外部アンテナを接続します。
H マイク接続コネクタ: マイクを接続します。
I 音声出力端子(3.5φモノラル): 外部スピーカ及び、
パソコンで生波形観察をするときに使用します。
J シリアルポート: オプションのプリンタを接続します。
K 電源コネクタ: 電源コードを接続します。
マイク
L ステージ
M 刻音ピックアップ
N フォーク
O 緑ボタン(戻り)
P 赤ボタン(決定)
Q 青ボタン(進み)
R クリップコード接続端子:始動電圧、電池電圧、電流、抵抗の測定の時に付属の
クリップコードを接続します。
S 帯磁検出部
○ 温度センサはステージの裏側にあります。
4−2
5、設置
本体の設置
・直射日光の当たらない、急激な温度変化のない場所に設置して下さい。
特に正面パネルに直射日光が当たると表示部の寿命が低下します。
・電源は必ず家庭用の交流100V電源を使用してください。
マイクの設置
・雑音の少ない場所に設置してください。
騒音はメカ時計、モータを使用した機器はアナログクォーツ、蛍光灯はデジタル
クォーツの測定の妨害信号になります。
・マイクから延びたケーブルを本体背面のマイク接続端子に接続して下さい。
プリンタ(オプション)の設置
・電源を交流100V電源に接続してください。
・プリンタケーブルをシリアルポートに接続して下さい。
5−1
外部アンテナ(平行2線の10mのコード)の設置
・本機の高い歩度測定精度を引き出すために非常に重要な作業です。
クォーツの測定をする場合は付属の外部アンテナを必ず接続して下さい。
送信所から遠いほどアンテナは重要になります。送信所に近い地方では外部アンテ
ナを付けなくても使うことは出来ますが、歩度測定精度が低下することがあります。
外部アンテナ設置方法
・外部アンテナのコネクタを本体背面のG外部アンテナ接続端子につなげます。
・部屋の壁などに付属の配線フック等を利用して大きなループが出来るように設置し
てください。ループの形は自由です。
・外部アンテナは平行2線のコードの先端をショートした構造で、先端の3〜4m分
は平行線を引き離してループが作れるようになっています。設置する場所に応じて
さらにたくさん引き離すことでループを大きくすることが出来ます。
・外部アンテナの捕捉する電波の量は、アンテナのループの囲む面積に比例します。
5−2
・このアンテナは、ループの開口部の直角方向の電波を強く捉える性質があります。
付属の方位磁石と前ページの地図を参考に、JJYの送信所の方角に合わせて下さい。
磁針の赤は磁北。磁北は日本では真北より7度程度西に寄っています。
・外部アンテナと本機単体での受信指向特性を上の図に示します。曲線の大きさがその
方向の受信感度を示します。
・電動モータはJJYの受信の妨害になるノイズを多く発生します。アンテナの受信感 度の高い方向にエアコンの室内機や扇風機が来ない位置を選んで設置して下さい。
・外部アンテナの付けられない環境では本機の背面を窓の方向か送信所の方向に向ける と受信感度は良くなります。
5−3
6、液晶画面の構成とボタンの基本操作
液晶の画面は大きく3種類からなります
@ メニュー画面(親画面:1画面)
電源ONで最初に表示されます。
測定項目の選択をします。
A 測定画面(子画面:9画面)
各項目毎の測定を行います。
また、設定画面を選択します。
4行目には日付、時刻、温度、JJY電波強度(0〜9)が表示されます。
B 設定画面(孫画面:7画面)
測定のための各種の条件を設定します。
@ メニュー画面(親画面)
|
1: ホド
2: デンチデンアツ
3: シドウデンアツ
4: デンリュウ
5: タイジリョウ
6: テイコウ
7: フリカク
8: カタブリカク
9: タイムグラフ
0: デンパドケイ |
|
・左の10行からなりますが、液晶表示部には
このうちの4行が表示されます。
・2行目の位置に常にカーソルがあり、赤ボタンを
押すと2行目の測定項目が選択され、画面は選ばれ
た測定画面に変わります。
|
|
B 設定画面 ナンバリング
|
バンゴウ
No.XYZ
0123456789ABCDEFGH
IJKLMNOPQRSTUVWXYZ |
|
プリンタで記録を残すときに使用します。0〜9の数字とアルファベット大文字
26文字、合計36文字が3桁使えます。
(その他の画面の解説は測定の項を参照下さい)
ボタンの基本操作
・緑ボタン、青ボタンを押すと、表示されている画面の中でカーソルが移動します。
・赤ボタンを押すと、カーソルのある位置の項目を実行したり、設定したりします。
・測定中に緑ボタンと青ボタンを同時に押すと、測定を中断します。
・緑ボタンと青ボタンを同時に押すと、上位の画面に(孫画面→子画面→親画面)
移動します。この操作で手早く測定項目が変更できます。
6−1
6−2
7、測定方法
7−1歩度
メニュー → 1、ホド
設置
・ステージの上に時計を乗せます。
・メカ時計: 必ずフォークで押さえて刻音ピックアップに接触させて下さい。
マイクごと向きを変えることで6姿勢の測定が出来ます。
・液晶時計: 液晶面を下向きに置いて下さい。
・電流による歩度測定: 電池を外して、電池の中央に接する電極に黒クリップを、
電池の周囲に接する金属部分に赤クリップを接続して下さい。
歩度測定画面
測定開始
|
1:ホド スタート 010sec
モータ +0.24s/day
No.XXX プリント ニッサ
MM/DD HH:mm:ss +ttCX |
|
測定時間(ゲートタイム)
クォーツ歩度目標値
表示単位選択
|
|
◎表示単位選択
歩度の単位を選択することが出来ます。
|
|
|
◎測定時間(ゲートタイム)
測定時間を合わせます。初期値は10秒です。
1〜999秒まで1秒毎に選択できます。
|
|
ソクテイジカン
010sec
0123456789
|
|
◎クォーツ歩度目標値
温度補正のないクォーツ時計の温度特性は、通常25度C付近を頂点とする上に
凸の放物線で表されます。(添付資料1参照)歩度調整の目標はこの25度Cの時に
+0.XXXsec/dayとして提示されますが、その目標が調整をしている現在の温度では
どの程度の値になるかを表示します。(温度測定点はマイクのステージ裏側です。)
ここで赤ボタンを押すと右の温度補正定数
設定画面画面が表示されます。ここに25.7度C
での目標値を入れてください。
初期値は0.250s/dayです。 |
|
オンドホセイテイスウ
0.250s/day
0123456789
|
|
この数値は調整の思想を反映することになります。
7−1−1
◎入力選択
時計の種類に合わせて信号入力選択を合わせます。 入力信号選択画面
アナログクォーツ → モータ
デジタルクォーツ → エキショウ
メカ時計 → コクオン
電流による歩度測定 → デンリュウ |
|
シンゴウセンタク モータ
エキショウ
ジドウ コクオン
デンリュウ |
|
初回は自動選択が出来ます。自動選択した結果は液晶画面に表示されます。
ただし、測定をスタートしてから時計からの信号よりも早く他の系統のノイズ
(クォーツ測定時に大きな音を立てる等)があると、機械は信号選択を誤ることが
あります。このときは手動で入力を訂正して下さい。
時計の種類を変更するときは手動で入力選択を変更して下さい。
運針間隔の長いアナログクォーツは手動でモータを選択してください。
◎レベル調整(つまみ)
信号入力ランプが刻音やステップモータの動きに合わせて点滅するように、
B感度・電圧調整つまみを回して下さい。
右に回すと感度は高まります。感度はなるべく高くしてノイズを拾う直前の点が
最も精度が良くなります。
○アナログクォーツ、デジタルクォーツ、電流による歩度測定
つまみを右に廻すと単純に信号の増幅度が増し、感度が向上します。
○メカ時計
・メカ時計からの音信号は内部のマイコンに入る前に自動レベル調整回路(ALC)で
ほぼ一定のレベルに調整されています。このつまみは一定になった信号レベルの
中で、A音と認定するレベル(サンプリングレベル)の調整をします。
・右側に回し切ると最大値の0〜5%、左側は最大値の25〜50%のレベルです。
・調整の難しいときは測定時間を2秒か4秒(5.5振動は必ず4秒)に設定し、
測定値のバラツキが小さくなるレベルに調整して下さい。
・刻音の小さい時計は(増幅度が高くなっているのでノイズも一緒に増幅されて
います。このため)左寄りに適値があります。
・振動数の多い時計の適値は右寄り、少ない時計は左寄りの傾向があります。
7-1-2
◎スタート
スタートで赤ボタンを押して測定を開始して下さい。結果はLED表示部に出ます。
測定中は液晶表示部の4行目に <<<<<ソクテイチュウ>>>>>> の表示が現れます。
この表示が現れないときは再度スタートで赤ボタンを押してください。
◎測定の終了
測定を終了するときは、緑ボタンと青ボタンを同時に押して下さい。
◎注意
○測定中に感度・電圧調整つまみを回すと、測定精度は大幅に低下します。
○誤差の大きい時計を長い測定時間で測定すると、実際よりも誤差が小さく表示
されることがあります。測定時間と誤差範囲の関係はスペック表をご覧下さい。
○時計の種類毎の注意
アナログクォーツ
・ステージ上の時計の位置により、時刻信号(漏洩磁束)の検出感度は変わります。
漏洩磁束が小さく測定しにくい時計は、スピーカから音を出して、
音が大きくなる位置を探して下さい。
・10秒を越える運針間隔の時計はゲートタイムを変更して下さい。
デジタルクォーツ
・画面に多くの情報を表示する時計は、毎回液晶の電界が異なるため、
測定バラツキが大きくなります。このような時計は、多数回測定をして、
表示される頻度の高い測定結果を歩度と考えて下さい。
メカ時計
・大きな音や振動を加えると測定精度は低下します。
・5.5振動の時計はゲートタイムを4秒の倍数に変更して下さい。
(10秒ゲートでは片振りがあると歩度のバラツキが大きくなります)
7−1−3
7−2 電池電圧
メニュー → 2、デンチデンアツ
電池の中央に黒クリップを、電池の周囲に赤クリップを接触させて下さい。
有効数字は小数点以下2桁です。
電池電圧測定画面
|
2:デンチデンアツ
No.001
プリント
MM/DD HH:mm:ss +ttCX |
|
7−2
7−3 始動開始電圧
メニュー → 3、シドウカイシデンアツ
・電池を外して電池の中央に接する電極に黒クリップを、
電池の周囲に接する金属部分に赤クリップを接続して下さい。
・感度・電圧調整つまみBを回すと、時計に加わる電圧が変わります。
・電圧はLED表示部に表示されます。有効数字は小数点以下2桁です
・時計を上に向けて運針を確認して下さい。
・電子回路のみの始動開始はスピーカからの音でも確認することが出来ます。
始動開始電圧測定画面
|
3:シドウデンアツ
No.001
プリント
MM/DD HH:mm:ss +ttCX |
|
7−3
7−4 消費電流
メニュー → 4、ショウヒデンリュウ
・電池を外して電池の中央に接する電極に黒クリップを、
電池の周囲に接する金属部分に赤クリップを接続して下さい。
・測定電圧は1.55V固定と、手動設定の選択が出来ます。測定画面上でSET=1.55V
に合わせて赤ボタンを押すと供給電圧設定画面に移ります。
シュドウにカーソルを合わせるとLED表示部に供給電圧が表示されます。
供給電圧は感度・電圧調整つまみBで調整して下さい。
・過去1秒間の消費電流の平均値が0.5秒毎に表示されます。
・1秒運針の時計では変動の少い正確な値が表示されます。
運針時間の長い時計は運針時間分の表示(1回置きで良い)を
平均する必要があります。
消費電流測定画面 供給電圧設定画面
|
4:デンリュウ
No.000 SET=1.55V
プリント
MM/DD HH:mm:ss +ttCX |
|
|
|
|
7−4
7−5 帯磁量
メニュー → 5、タイジリュウ
・項目を選択してからマイクの磁気検出部に測定したい部位を当てます。
・本機に限らずガウスメータは一様な磁界が加わったときに正確な値が表示される
ように調整されています。時計のように局所的に磁化している物の場合は表示さ
れる最大値が最も真の値に近いとお考え下さい。
・極性は、N極に帯磁していると+です。
・単位はガウスです。 1ガウス=0.1mテスラ=0.0001テスラ
帯磁量測定画面
|
5:タイジリョウ
No.000
プリント
MM/DD HH:mm:ss +ttCX |
|
7−5
7−6 抵抗(簡易測定機能)
メニュー → 6、コイルテイコウ
・赤と黒のクリップをコイルの両端に接触させて測定します。
・測定範囲は1KΩ〜95KΩです。
・1KΩ未満は00.00、95KΩ以上は99.99と表示されます。
・コイルの保護のために加える電圧を0.3V一定と低く抑えています。
注意:本機能は導通確認のための簡易測定機能とお考え下さい。
1KΩ〜10KΩまでは誤差10%以下。
10KΩ以上では更に誤差が大きくなることがあります。
抵抗測定画面
|
6:テイコウ
No.000
プリント
MM/DD HH:mm:ss +ttCX |
|
7−6
7−7 振り角
メニュー → 7、フリカク
・時計は必ずフォークで押さえて刻音ピックアップに接触させて下さい。
・刻音のレベル調整は歩度測定と同じです。
・ステージに時計をセットすると振り角が表示されます。
・計測可能な最大値は340度です。
・値は過去10秒間の平均値で、5振動毎に更新されます。
・対応する振動数は
5 5.5 6 8 10
18000 19800 21600 28800 36000
・上記以外の振動数の時計は、自動選択では最も近い振動数が選択されます。
・振動数は通常自動選択されますが、手動設定も可能です。
・拘束角は初期値52.0度。測定する時計に合わせて下さい。
20.0〜99.9度の範囲を0.1度刻みで自由に設定できます。
・マイコンに信号入力が無い状態ではLED表示部に「CLSE」と表示されます。
振り角測定画面 振動数設定画面
|
7:フリカク F=ジドウ
No.000 L=52.0deg
プリント
MM/DD HH:mm:ss +ttCX |
|
|
シンドウスウ
ジドウ
5 5.5 6 8 10
|
|
|
拘束角設定画面
|
コウソクカク
L=XY.Zdeg
0123456789
|
|
|
参考:セイコー製品拘束角
キャリバーNo. 29系:47.8度
56系:56.0度
61系:54.5度
63系:54.5度
Q S系:52.0度
7−7
7−8 片振り角
メニュー → 8、カタブリカク
・測定方法は振り角と同様です。
・値は過去4振動の平均値です。
・0.1度単位で表示されます。
・最大値は20度です。最大値を超えると表示されません。
・ガンギ車に傷のあるとき等は定期的に値がばらつきます。
このようなときは表示される値のうちで小さな値が真の値に近いとお考え下さい。
・マイコンに信号入力が無い状態ではLED表示部に「CLSE」と表示されます。
片振り角測定画面 拘束角設定画面
|
8:カタブリカク F=ジドウ
No.000 L=52.0deg
プリント
MM/DD HH:mm:ss +ttCX |
|
|
シンドウスウ
ジドウ
5 5.5 6 8 10
|
|
|
拘束角設定画面
|
コウソクカク
L=XY.Zdeg
0123456789
|
|
|
7−8
7−9 タイムグラフ
メニュー → 9、タイムグラフ
操作法
○オプションのプリンタを接続します。
○スタートで印字を始めます。
○終了は緑ボタンと青ボタンを同時に押して下さい。
結果の読み方
○歩度が+の時計は/、−の時計は\、正確な時計は|、片振りのある時計は‖
の線を表示します。
○日差2分で45度の傾きになります。
・プリンタの使用方法: プリンタの取扱説明書をご覧下さい。
印刷の濃度の調整法: プリンタマニュアル5-1にあります。
・振動数の設定 : 自動選択されますが手動設定も可能です。
・印字は必ず用紙の中央から始まります。
・本機能は8打点分のデータを蓄積してから印字を行います。
一振動1打点を印字しますので、振動数の多い時計ほど紙の送りが速くなります。
・送り速度の目安として約20秒毎に横線が印刷されます。
・3000振動分の印字(375mm)を行うと自動停止します。
・印字の終了部分に日付、時刻、温度、電波強度、振動数が印字されます。
MM/DD HH:mm:ss +ttCX F=X
・タイムグラフ機能と歩度測定機能は同時には使用できません。
・タイムグラフ機能使用時には時計の表示は停止します。
タイムグラフ画面
|
9:タイムグラフ スタート
No.000
F=ジドウ
MM/DD HH:mm:ss +ttCX |
|
各振動数での諸元は、以下のようになります。
振動数(F)
|
紙の送り速度 (mm/分) |
有効印字幅の時間 (ミリ秒) |
片振り時間(ミリ秒/mm) |
自動停止時間
(分) |
5 |
37.5 |
100.0 |
4.44 |
10.0 |
5.5 |
41.25 |
90.9 |
4.04 |
9.1 |
6 |
45 |
83.3 |
3.70 |
8.3 |
8 |
60 |
62.5 |
2.78 |
6.3 |
10 |
75 |
50.0 |
2.22 |
5.0 |
有効印字幅:打点の印字される幅、45mm(360ドット)
片振り時間:(チック〜タック)−(タック〜チック)の絶対値
7−9
10、電波時計
メニュー → 0、デンパドケイ
・電源ONで、装置内部の時計はスタートします。
・時刻を合わせるためには必ずメニュー画面から 0:デンパドケイで、赤ボタン を押 して下さい。JJYの時刻信号の解読がスタートします。
・解読が始まるとLED表示部には一分ごとにJJY0,JJY1,JJY2,・・
と、表示されます。JJY信号は1分が1セットになっており、何回目の信号を受
信しているかを示しています。複数回の解読結果が一致すると解読が終了します。
終了するとLEDは消灯します。解読が成功していると測定画面にしたときに液晶
表示部の4行目に日付と時刻が表示されます。
・解読の後には必ず他の時計で時刻を確認して下さい。
・解読に失敗したときは時間をおいて再度 0:デンパドケイ で、赤ボタンを
押して下さい。
・解読の成否は周囲の雑音と気象条件により大きく左右されます。
周囲に雑音のない状態では信号強度が1でも解読できますが、雑音が大きいと
信号強度が6〜8程度でも失敗することがあります。夜間は解読が成功する確率が
高くなります。
注意:電波時計の表示と歩度測定の精度は全く無関係です。
電波時計の表示が違っていても、歩度測定の結果が狂うことはありません。
7−10
8、トラブルシュート
現象 原因
歩度測定が出来ない
共通 ・入力信号選択が時計に合っていない。
・感度調整が合っていない。
(入力に合わせて青ランプが点滅するようにする)
・スタートで赤ボタンが押せていない。
(測定中は <<<<<<ソクテイチュウ>>>>>>>> の表示がでる)
・時計が止まっている。(高振動数のメカ時計に多い)
アナログクォーツ ・測定時間と運針が合っていない。
(測定時間はメーカー指示値に設定する。)
電流による測定 ・時計が動いていない
時計によっては外部から電圧を供給しても動かない(水晶発振が始まらない)ものがある。
この判別は消費電流を測定すると分かる。
歩度のバラツキが大きい
共通 ・感度調整が合っていない。
・周囲の雑音が大きい。
・表示単位を間違っている。(日差のつもりが月差だった等)
アナログクォーツ ・入力選択が コクオン になっている。
・測定時間が不適切。
・JJY受信が出来ていない。※1
赤ランプの点灯比率が50%以上なら可能性大。
アンテナ不良、接続不良、JJY停波 ※2
※1:JJY受信が出来ないときの歩度の精度について
赤ランプの点灯比率と内部基準周波数の誤差の関係
30%以下 JJYに同期。
30〜50% 0〜2ppm(日差0〜0.17秒)
100% 1〜3ppm(日差0.09〜0.26秒)
※2:JJY停波について
長めのもの(数時間以上)は年間数回あるようです。雪害、定期メンテナンス等。
短時間(数分)のものは年間数十回あるようです。落雷、送信機交換等。
メンテナンスは事前予告があります。詳しくは http//jjy.crl.go.jp/ をご覧下さい。
8
9、メンテナンス
◎校正
歩度:本機は標準電波で常に校正しているため、受信部が正常に作動している限り
定期的な校正は必要ありません。受信部の正常動作の目安は、
赤ランプ点灯比率30%以下、JJY信号強度表示1以上です。
消費電流、電圧:0点がスペックの誤差範囲を超えたときには校正を要します。
製造元にご連絡下さい。
◎ソフトウェアのバージョンアップ
○バージョンアップは、装置内部のCPUボードの交換により行います。
弊社から新CPUボードを郵送し、お客様に交換していただきます。
○CPUボードの交換方法
@ 必ず電源コードを抜いてください。
A 本体の上蓋の+ネジ4カ所を外します。
B 内部のスピーカのコードのコネクタを外します。
C 古いCPUボードを外します。CPUボードはきつく差し込まれています。
四隅を順に少しずつ持ち上げて引き抜いてください。
D 新しいCPUボードを差し込みます。
ボードの向きに注意して正確に足を合わせて押し込んでください。
E スピーカコードのコネクタを取り付けます。
F 本体の上蓋をはめ、+ネジ4カ所を取り付けます。
○旧CPUボードは必ずご返送下さい。ご返送いただけないとアフターサービスが
継続出来なくなります。
◎ヒューズの交換方法
@ 必ず電源コードを抜いてください。
A 本体の上蓋の+ネジ4カ所を外します。
B 黒いヒューズホルダのカバーごと真上に引き抜いてください。
C カバーにはまったヒューズを付属の新しいものに交換します。
D ヒューズのついたカバーをホルダに差し込みます。
E 本体の上蓋をはめ、+ネジ4カ所を取り付けます。
注意:ヒューズは必ず付属のものをご使用下さい。
付属の新しいヒューズに交換し、数日以内に再びヒューズが切れるようなら
装置の故障です。製造元に連絡の上ご送付下さい。
9
10、スペック
歩度測定機能
測定間隔 1秒〜999秒(10秒標準)
振り角測定機能
対象振動数 5 5.5 6 8 10振動 (18000 19800 21600 28800 36000)
|
測定範囲 |
分解能 |
誤差範囲 |
歩度
|
測定時間と時計の
種類に依存(下表) |
|
日差0.02秒以下(10秒測定)
日差0.002秒以下(100秒測定) |
振り角 |
最大340度 |
0.1度 |
※3 |
片振り角 |
0〜20度 |
0.1度 |
※3 |
消費電流 |
最大10.23μA |
0.01μA |
1%+0.03μA以下 |
電圧 |
0.1以下〜3.2V以上 |
0.01V |
0.02V以下 |
コイル抵抗 |
1kΩ〜95kΩ |
|
1kΩ〜10kΩ 10%以下 |
帯磁量 |
0±400ガウス以上 |
1ガウス |
5%+2ガウス以下 |
温度 |
−20〜70℃ |
1℃ |
2℃以下 |
※3 個々の時計の中には内部雑音により誤差が大きくなるものがあること及び、
他の測定方法での検証が難しいことにより規定できない。
歩度測定範囲 (単位:±秒/日)
測定時間(秒) |
4 |
10 |
30 |
60 |
600 |
アナログ(電流含) |
324 |
129.6 |
43.2 |
21.6 |
2.16 |
デジタル |
32.4 |
12.96 |
4.32 |
2.16 |
0.216 |
メカ |
972 |
388.8 |
129.6 |
64.8 |
6.48 |
使用温度範囲 10〜40度C
電源電圧 交流90V〜110V 消費電力 測定時 6.5W (0.075A)
画面消灯時 4.5W (0.055A)
外形寸法・重量 本体 幅200*高さ55*奥行き160(突起を除) 1.3kg
マイク 幅110*高さ95*奥行き64 0.44kg
付属品
・電源コード
・外部アンテナ
・クリップコード
・ヒューズ(0.1Aタイムラグ)
・取扱説明書
・方位磁石
・配線フック(8個)
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開発、製造、発売 (有)トゥロッシュ
URL: http://www.troche.com
技術協力 元 (有)東京ウオッチサービスセンター 社長
富 山 峻 一 郎
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